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大都市でしか興行をやらないアーティストに関しては、会津の人たちは東京とかに行くのは全然平気みたいですから、あえてここでやらなくてもいいんじゃないかなんていう声もでました。結局は、高校生ですと、限られた小遣いでしょうから、やっぱりその會津風雅堂で低料金でやろうという形で、この先若者向けのコンサートの実施に向けて真剣に取り組まなければならないとは思っております。
本当は高校生向けというのはちょっと今難しいということで、まだ若いと思っている人たちに対する催しとしまして、いろいろなコンサートをやりました。このときは提携事業という形をとりまして会館の使用料の免除、名義主催という形で、共催に会津若松市の教育委員会を使いますと、なかなか普通では貼ってくれないような場所にもポスターを貼れますので、興行主もメリットがあって、共栄共存ということで提携事業を進めてまいりました。
やり方によりましては、例えばアルフレッド・ハウゼとかをやったときは、その売り上げの10%をこちらが全部もらうという形で、リスクがない公演をやったこともあります。プラターズか何かをやったときに結構また問題になりましたのが、その業者が結局、自己破産しましてうちの方は名義だけとはいえ主催ですので、宿泊ですとかテレビスポットとか紹介してやった事情もあって、そこからの請求が風雅堂の方にきてしまい、うちも払えないということで曖昧になってしまったところもあります。だから、相手を見てこういう事業はやらなければならないと思いました。
演歌が多かったんですけれども、演歌もやっぱり近い時期に、1ヵ月に3本ぐらいとか入っていますと、会津若松市とかですと12.3万ぐらいの人口、周りを見ましても20万人ぐらいしか対象はいませんので、お客様も選ぶようになりまして、全然もう演歌なんかは入らないというぐらいの競争になりました。うまくやってある程度成功しているところだけが定期的に風雅堂を使うようになりまして、自然淘汰されて、演歌はいいぐあいにやっているという感じになりました。うちの方でいろいろ企画したんですけれども、やらないよりやった方がいいという程度のものしかやっていなかった面もあり、予算が限られている中で事業展開しなきゃならないという制限つきでしたから、人を動員できそうなコンサートとかは提携事業という扱いにして、開館当時からプランとして持っていたてづくり舞台とか、地域独自の文化活動の方にお金をかけようということで、すべて市民のてづくりによる舞台公演というものに着手しました。これはうちの方で、先ほど申しました機関誌というか、3ヵ月に1回だしています「ふ

 

 

 

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